約 833,109 件
https://w.atwiki.jp/doujin_info/pages/67.html
作家名 萌木原ふみたけ HP http //www.zippersroom.net/ C74新刊 しゅごキャラ本 既刊 C74スペース シ-05ab C72新刊 マジアカ本 タペストリー C72スペース A-83ab C72結果 12時過ぎに行って90分。普通に混む。10限で、3時頃行っても買えた報告があるので搬入は多そう。卸さない? 卸すかは知らないけど、午後から並んでも買えたみたいですね。 -- アンチ (2007-08-21 22 45 08) 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/o-rod/pages/205.html
デッサン.zip ナノク Improv Electronics Boogie Board LCD Writing Tablet 【簡易パッケージ版】 デッサン.zip デーモン・コア 約14ポンド(6.2kg)の未臨界量のプルトニウムの塊 ナノちゃんロハちゃん、エスノ君/データ/さらにデータ ヒエロニムス・ボス(Hieronymus Bosch ブーバー ロジャーズ 対話 夏コミケ showrss プラグインエラー RSSが見つからないか、接続エラーです。 showrss プラグインエラー RSSが見つからないか、接続エラーです。 showrss プラグインエラー RSSが見つからないか、接続エラーです。 #ref_list
https://w.atwiki.jp/azounoman/pages/27.html
1602 Zip 問題 http //acm.pku.edu.cn/JudgeOnline/problem?id=1602 解答例 import java.util.*; public class Main { public static void main(String[] args) throws Exception{ Scanner sc = new Scanner(System.in); String mode = sc.next(); if(mode.equals("A")){ int n = sc.nextInt(); char[] str = new char[n]; str = sc.next().toCharArray(); if(n==1){ System.out.println(str); System.out.println(1); return; } // n 1 ZipString[] zs = new ZipString[n]; for(int i=0;i n;i++){ char head = str[i]; char tail = str[(i+n-1)%n]; ZipString z = new ZipString(i,head,tail); zs[i] = z; } Arrays.sort(zs); char[] zstr = new char[n]; int p = -1; for(int i=0;i n;i++){ zstr[i] = zs[i].tail; if(zs[i].k==1) p = i; } System.out.println(zstr); System.out.println(p+1); } else if(mode.equals("B")){ int n = sc.nextInt(); char[] zstr = new char[n]; zstr = sc.next().toCharArray(); int p = sc.nextInt()-1; char[] zstr_next = new char[n]; for(int i=0;i n;i++) zstr_next[i] = zstr[i]; Arrays.sort(zstr_next); int[] m = new int[26]; Arrays.fill(m,-1); for(int i=0;i n;i++) m[(zstr_next[i])- a ] = i; char[] str = new char[n]; int a = -1; for(int i=0;i n;i++){ if(zstr_next[i]==zstr[p]){ a = i; break; } } str[n-1] = zstr[a]; for(int i=n-1;i 0;i--){ int k = m[str[i]- a ]; str[i-1] = zstr[k]; m[str[i]- a ] = k-1; } System.out.println(str); } else throw new Exception(); } } class ZipString implements Comparable ZipString { int k; char head; char tail; ZipString(int k, char head,char tail) { this.k = k; this.head = head; this.tail = tail; } public boolean equals(Object o){ ZipString z = (ZipString)o; return this.head==z.head; } public int compareTo(ZipString z){ return this.head-z.head; } }
https://w.atwiki.jp/goldcard/pages/255.html
zip形式の圧縮ファイルを解凍するときパスワードを要求されるときがあります。 そのときに使えるツールです。 DL:Pika Zip 注意事項:日本語のパスワードは対応外だそうです。
https://w.atwiki.jp/animerowa-3rd/pages/340.html
わが﨟たし悪の華 ◆zZobvbdlGE 悪夢のようなゲームが始まってから数時間が経つ。 彼は半ば眠ったような意識で行動を決めかねていた。 唯一の方針はゼロレクイエムの根幹である ――――救世主“ゼロ”枢木スザクをこのゲームから生還させる ということ。 元来死にたがりだったスザクには「生きろ」というギアスも掛けてある。 身体能力、戦闘力、俺に煮え湯を飲ませ続けてきた戦術を加味すると、そうそう死ぬ事はないだろう。 他の参加者に出くわしたら「枢木スザクを守れ」とでもギアスを掛けようと考えていた。 自ら積極的に他者を加害して排除する気は毛頭なく、 そうかと言って黙って殺されてやる気も更々起こらない…という緩やかな自殺… 生の放棄に他ならなかった。 生前苛烈だった幸福への渇望、憧れも希薄となり、思考も曇りがちだ。 彼は短くも壮絶で波乱に満ちた自らの人生を全うしきったのである。 仮に元の世界に戻ったとしても、彼の居場所は世界の何処にも存在しない。 なぜならば… ――――彼は神聖ブリタニア帝国99代皇帝ルルーシュ・ヴィ・ブリタニアだから まずは宇宙開発局を調査し、首輪の解析が可能な設備が有るか否かを確認… そこを拠点に首輪を解体出来る技術者を探しだすつもりだった。 まだ夜も深い頃D-6駅近くの大型スーパーマーケットで店内を物色し、 必要不可欠な移動手段や衣類、食料に日用雑貨、その他諸々を可能な限り調達した。 「……っ!?む?」 雑貨やペットボトルの水をいくらか支給品バッグに入れた所でふと気が付く。 自分が持てる限界まで店内の必需品を詰め込もうと思っていたのだが、 幾ら食料や雑貨をバッグに詰めても一向に重くならず、明らかに容量に限界がなかったのだ。 支給品バックの異変に気付いてからの行動は迅速だった。 店内に有る全ての鏡、キャンプ用の折り畳み椅子、消化器、灯油のポリタンクなど 幾らバッグに詰め込んでも一向に重みを感じない。 ロープや、カセットボンベ、混ぜると劇薬になる大量の風呂用洗剤… とにかく必要と考えられるものをひたすらバッグに詰めていった。 スポーツ用品コーナーでダイバーセットを発見した時は品揃えの良さに声を上げて笑った。 「…フハハハ!至れり尽くせりじゃないか…!」 例の孤島に浮かぶ遺跡を調査する為には、海を越えなければならなかった。 マスクとシュノーケル、ウェットスーツにフィン、酸素ボンベを鞄に入れた。 まだまだ大量にバッグに入れる。 ルルーシュの戦いは敵に対面した時には全て決まっていなければならない。 まだ見ぬ敵との戦闘はもう始まっている。 いかなる状況にも対応できるように、手持ちのカードは出来る限り増やす事が必要だった。 眉唾物であった、帝愛グループのチンピラが宣言した言葉… ――――なにせ我々は……《金》で《魔法》を買ったんだからなッ!! というバカな発言も自らの復活…そしてこの狂宴で最も身近なものに起こっている事態を 合わせて考えると、あながち誇大妄想ではないようだ。 そして参加者が例外なく身につけ、生殺与奪を握られている首輪… ルルーシュは逆にそのメリットを考える。 参加者をこの会場に縛り、強迫観念から思考を停止させる楔であると同時に、 この世の物理法則を捻じ曲げ、暴虐の限りを尽くすような強大な戦闘力を持つ者も 一撃で死に至らしめる必殺の武器であると思っていた。 それに加えてこの会場の全参加者の中でも最高級のアドバンテージだと思われる武器。 “ギアス” いかなる相手にでも命令を下せる、絶対遵守の力。 他人の意思を捻じ曲げ強制的に駒にする人ならざる力、人ならば誰もが持つ己の倫理感、理想や嗜好、 愛する者の記憶、死んでも譲れない信念すら書き換え蹂躙する。 果ては神ともいえる集合無意識すら自らの意に従わせる事が出来る。 この世の理を根こそぎ変える事が出来る強力な力だ。 そのような力を振るうものは人々から畏れられ…悪鬼羅刹、天魔、魔神などと呼ばれる。 ◇◇◇◇ 時間にして数時間前だ、夜明けにはまだ暫く掛かりそうな頃。 そんな彼に頭から冷や水をぶっかけて無理やり叩き起そうとする者がいたのだ。 戦利品を調達して意気揚々とシティサイクルを漕ぎF-6 まで来た。 宇宙開発局に繋がる橋を渡り展示場を眼前に望む所まで来た時、衝撃的な物が目に飛び込んでくる。 彼自身よく知る、否自分自身といってもいい仮面の男がそこにいた。 ――――私の名はゼロ。諸君と同じ、このバトルロワイアルの参加者だ。 「…何…だと……!?これは…!?」 宇宙開発局全域に響き渡った演説に対してルルーシュは目を見開いて呻く。 ――――この戦い――殺し合いにおいて、私は諸君がこの世界に貫くべき自らの『正義』を見出すことができるか。それに期待している。 それは展示場にある巨大モニターに現れた。 彼のよく知る仮面を身に付け、挑発的で大胆に、なおかつ激しい口調、身振り手振りで戦いを煽る者が映る。 ――――有史以来、人は常に争いの中で発展し、進化してきた。 であればこそ、この殺し合いの中においても人は正しく進化することができるのではないか? ルルーシュは俯いて全身を震わせた。前髪がかかって表情を窺う事は出来ない。 ――――もう一度言おう。我が名はゼロ! 人々よ、我を恐れよ! 私はここに、諸君ら全員の抹殺を宣言する! 垂れ流される演説に鬱血するほど下唇を噛みしめて沈黙する。 俯いた顔を上げ巨大なモニターを呪い殺さんとばかりに睨みつけた。 「ゼロを騙る偽者め……!!散々使い倒してボロ雑巾のように処刑してやる……」 その偽物の意図するところ、成そうとしている事を瞬時に理解し、 久方ぶりに腹の底から湧き上がる、震えあがる程激しい憎悪と殺意を思い出した。 皮肉にも偽者による暴挙を知り、唐突に蘇ってからずっと虚ろに曇っていた双眸に鈍い光が戻り、 ゆらゆらと仄暗い炎が自らの全身を包みこんでゆく。 この会場に飛ばされてからは靄が架かったようにぼやけていた、幾多の敵を操り、 欺き、陥れ、葬り、蹂躙してきたその頭脳が唸りを上げて高速で回転し始める… そんな感覚をルルーシュは覚えた。 ◇◇◇◇ ルルーシュは苦虫を噛み潰したような顔で展示場の周辺を調査していた。 このゲーム中に自分が野垂れ死に、スザクも倒れたとする。 幸運にも偽物が元の世界に生還し、あのような言動を取ったとしたらどうなるか? そう…彼とスザクが行ったゼロレクイエムの根幹は崩壊してしまう。 彼が生涯を賭して作り上げたゼロという奇跡の存在は、一人の人間を差すモノではない。 その仮面を正義の象徴とし、中の人間が朽ちようとも入れ替わり、永久に残り続ける人類の希望である。 争い続ける人類を交渉のテーブルに付け、再び生まれた巨悪に対してはゼロの名の元に人々を結集し反逆する… 全世界の平和を保つためルルーシュ・ヴィ・ブリタニアが人柱になり残したシステムそのものなのだ。 ゼロの仮面…その重みを理解しえぬ者が戯れに身につけてよいものではない。 (…この戦場からスザクを何としても生還させるのは第1の戦略目標だが、 “偽者のゼロを生かして帰さない”ということも優先度では同レベル… そして今後戦いを煽り、不和を撒き散らす為に現れると予想される模倣犯…必ず天誅を加える。 ゼロを騙る者には容赦しない。) ―――――たとえどのような理由があろうともゼロを騙る者は必ず破滅させる。 と静かに決意した。 何を置いても絶対に排除しなければならない敵の出現に対して、 このまま徒手空拳でタワー周辺に猪突して、偽ゼロの首を跳ねるという 短絡的な行動を取ろうとは思い至らなかった。 行動を起こすにしても、まずは駒が必要だ。 (大々的に多くの参加者の目に触れるこの行為…大きなリスクがある。 偽者のゼロは恐らく戦闘力に絶対的な自信を持っている… 多少の襲撃者は返り討ちに、あるいは退却できる程度の力は持っているだろう…) 咄嗟の際に使える武器は取り回しの悪い機関銃に、儀典用の剣と ――――ギアス まだ何の準備もしていない現状、盤上の駒はこれだけだ。 「現状ゲームに乗った卓越した戦闘者と鉢合わせれば、勝利することは難しい…」 そして… 「C.C.が参加している…これが意味するところは――」 ――――不死者すら殺す力が働いている可能性がある。 ゲームバランスを崩壊させかねないギアスは制限しなければならない力だ。 自分が主催者でも一番入念に制限をかけたいと考えるだろう。 出会う者全てを駒とし、効かない者は数で封殺する。 「…フッ、それではゲームにもならん」 主催者がルルーシュの能力を知った際の反応を想像して嘲笑した。 こんな能力者をポンと出せばゲームにもならない、ただの予定調和になるからだ。 (…高みの見物を決め込んでワインで一杯やりながら酒の肴に見ているのか…… 闇の世界大物が集い莫大な金の動くギャンブルに饗されているのか…… あるいはその両方か……) スタート前に壇上に立った遠藤という男を思い出してまた不快になった。 絶対的な安全圏から地獄の釜の底を覗く快楽と愉悦を、全身で感じるあの浅ましい表情… しかしあの男は末端も末端だ、正真正銘のチンピラだろう…問題視するのはその背後。 (真の敵は奴の背後…魔法、超能力を操る強大な組織が必ずある。 そしてギアス饗団…安易なギアスは警戒しなければな…) 故に十全にギアスは使えないと予測している。 人の本能や信念を曲げる事は容易ではないが、逆に認識をずらす、 あるいは記憶を消すという事は劣化していないのではないか? 人の認識というのはただでさえ曖昧で不確定なものだ。 有るものが見えない、あるいは無いはずの物が見え、大事な事を忘却することもある。 ギアスという脳に介入する力ならそれをさらに助長させる事は容易い。 あるいは思考に明確な方向性がない場合、同じ方向性の命令なら軽く曲げる事は可能だろう。 ――――禁止エリアの情報を忘却させてまっすぐ走らせる。 そして能力者の力を封じるギアス… ――――能力を忘れろ。 後はスザクに掛けた“生きろ”というギアスに近い性質のもの。 ――――俺を裏切るな。 という三つの命令、命令を無視されて窮地に陥る事がないように、 戦闘力を持たない標準的な人間で実験して持続時間や、抵抗具合を見る。 あるいはスクワットや腕立て伏せなど、意味の無いギアスを掛け無防備になる一瞬を狙うか… 武器のスペックを知らなければ、いざという時役に立たないどころか無為に手を曝してしまう。 そうなれば己の死は必然だ… この疑心暗鬼に陥った参加者の中で、人を操る能力を持つ者を信用する者は皆無だろう。 ギアスは強力無比だが一度使用した人間には二度と使えないという弱点がある。 生かしておいたギアス使用済みの者が障害になった事が生前あった。 妙な言動を取り続ける者を見れば他の参加者が不審に思う、その物の友人や知人で有ればより顕著に… 「――――使用済の人間は――――速やかに始末必要があるな…」 散策を続けながら深く考察をし続けた。 ギアスを活用するためにルルーシュの頭脳が唸りを上げて高速回転する。 ――――悪逆皇帝ルルーシュと呼ばれていた頃のように、人を人とも思わぬ冷徹な思考に切り替わった。 展示場の北あたりを調査していた時、探していた物を見つけた。 宇宙開発局と名乗っている以上、開発した艦船、浮遊航空艦が出入りするドックや ロケットの発射場などが何処かに有ると推測していたのだ。 偽ゼロがこれを発見出来なかったのは、恐らく命令系統のネットワークから遮断されていたからだろう。 こういう物には非常時に電源を使用せず手動で起動させるようなバックアップシステムが必ずある。 世界を二分する軍組織のリーダーを務め、世界を統一したルルーシュにとっては当然のことだった。 これをチラつかせれば餌として駒を集めるのも幾分か楽になるだろう。 今すぐ偽ゼロを追い詰める事は難しい…しかし力を手に入れた暁には必ず報いを与えると誓った。 「我が名はルルーシュ・ヴィ・ブリタニア…世界を壊し――――!!創造する男だ!!」 ◇◇◇◇ F-6エリア、頭上を電車の高架が通る場所、平沢憂は一糸纏わぬ姿でそこにいた。 少し前になる。安藤守を果物ナイフで殺害した時、手と制服に血が付いてしまった。 憂は袖口や胸元に血が付いている事に気が付いて、しまった…というような表情をした。 こんな血の付いた服を着ていては他の参加者に警戒されてしまう。 そうなれば阿良々木暦のように殺しはしないが離れて行ってしまうか、 池田華菜の様に疑心暗鬼になって襲いかかってくるか… 二つに一つ… 鼻の効くものなら血の匂いにすら気付く可能性があった。 そうなれば最後…… 何ら特別な力を持たない、普通の女である自分に勝算はないと判断した。 安藤を殺してしまったのは失敗だったかもしれない…と舌打ちをした。 あの偽善ぶった男と一緒に、カイジを中心とする集団と合流する方が、効率よく人数を減らせたかもしれない… ギャンブルに夢中になっている連中を一人ずつ始末することは容易いが…… その機会は逸してしまった。 とにかく体を洗い流したいと、安藤守のマウンテンバイクを軽快に漕ぎ、 D-6あたりの住宅地で生きている水道を探した。 水道の蛇口は所々に見つける事が出来るが、肝心の水は出なかった。 住宅に挟まれた細い路地をまっすぐ突き抜けると、辺りには公団住宅が立ち並ぶ。 公園が見えたあたりで海沿いに向けて西へ向かう。 平坦で舗装された道路が多くサイクリング気分で走り抜ける事が出来た。 背中の方角で銃声が引っ切り無しに聞こえる。 明確な意志を持って殺人を犯そうとする者が、何処に潜んでいるか分かったものではないが、気にしなかった。 (出くわしたら私の運がなかったって事だね…) 安藤が熱心に語っていたギャンブル船に行くにしても、 こんな所で不意に名も知らぬ襲撃者に殺されるようでは、運にも見放されているという事… 勝負にもなりはしないだろう。 とにかく体勢を立て直す必要があった。憂はスッパリ思考を切り替える事にした。 血の付いたまま出会うわけにはいかないが、 当面の間は強力な戦闘力を持った者の庇護下に入りたいと痛感していた。 地図の端の端ではなく展示場やタワー、駅の様な、人が集まりそうな所に行かなければ話にならない。 (ずっと一人って訳にもいかなくなってきた…?かな) そして今はF-6高架の下にいる。 なかなか太陽は顔を出さず、辺りはまだ薄暗い。川で体を流すというより殆ど海だろうか? 生まれたままの姿になって、バシャバシャ水浴びをすることにした。 性格なのか服は全て岩場に丁寧に畳まれている。 トレードマークのポニーテールは解かれて、彼女の姉と似た髪形をしていた。 塩味を感じるが止むを得ない、汗でベタつく顔を洗う。 頭の天辺まで水の中に潜って限界まで泡をぶくぶく吐きだす。 水面から顔を上げるとザバっと水が弾けた。プハァッと新鮮な酸素を求めて深呼吸をする。 顔、首筋、胸、背中、腕、腰、お腹、お尻、足、体中に纏わりつくイヤな油汗も、 物言わぬ躯になった安藤の返り血もそして…… ――――――――悲痛な断末魔もサッパリ忘れた。 彼女と姉の平沢唯は平凡な一般家庭に生まれた。 戦争も貧困も…そして、人が人を蹂躙することに愉悦を感じる事も知らなかった。 憂の大好きなお姉ちゃん…日本ののほほんとした空気の中で育ってきた唯は、純真無垢そのものだ。 ゴロゴロしながらアイスを欲しがるお姉ちゃんを見ているのが幸せだ。 高校に入ってからはギターに夢中になって、暇さえあればいつも弾いている。 軽音部の皆に出会ってからお姉ちゃんは1日1日どんどん変わってゆく… そんなお姉ちゃんがキラキラ眩しい。 憂があれほど愛おしく思う人は、世界中の何処を探しても他にはいない。 あの笑顔を守るためなら何でもやってやる!そう!私の幸せのために! (お姉ちゃんは人殺しなんて絶対ダメって言うよね…?) 私の大好きなお姉ちゃんなら絶対そんな事は許せないはずだ。 お姉ちゃんが笑っている事が、ギターを掻き鳴らしてポーズをキメてる事が… 私の幸せ! ――――この戦いで私がお姉ちゃん以外を殺し尽くす事とお姉ちゃんは無関係! …と堅く心に誓うのだが、一人になってから一時間と少し… 緊張感が途切れた反動なのか、堪えていたものが一気に溢れ出てきた。 彼女の歯はカチカチ音を立て、火照って熱かったはずなのに寒気が止まらない。 はっ、となり憂はようやく何が起こっているのか理解した。 方針は決めた、覚悟も決めた、後はやりきるだけだというのに体の震えが止まらない… なんという様だろう。 私は私の幸せを維持したくないのか!と必死に奥歯を食いしばった。 それを自覚した瞬間、胃の奥に酸っぱいモノ感じて、堪えようとした。 「……すぅ…ハァ…すぅ…ハァ…ぅ……」 深呼吸をして紛らわそうとしたが、呼吸は荒くなるばかりでどうにもならなかった。 生理的な現象である体の欲求にはもう逆らえそうにない。 「……ウッ…うぇぇぇエ…ガッ…ハァ…ハァ……」 強烈な気分の悪さに嘔吐感を堪える事が出来なかった。 夜から水しか口にしていなかった為、透明な胃液を海に撒き散らした。 涙目になりながら、体が酸素を求めて息を取り入れようと肩を荒々しく震わせる。 「なんで…!どうして……!」 小さな拳を硬い岩に叩きつけると、ガンと鈍い音を立てた。 「…ハァ、ハァ、ハァ……ハァ、ハァ、ハァ……ッ!!」 今まで何かを殴ったことなどない柔らかい拳は皮がめくれて血だらけになった。 塩水につけると、傷に浸みて激痛が走り、強烈な刺激に顔を顰める。 「2人も殺っておいて今さらだよ……ッ!!」 憂は自らの脆弱な精神に対して激昂した。 精神が常識に拘って体にかける異常を心底情けなく感じた。 「これぐらいで…ッ!なんて情けない……ッ!!」 その眼に光る涙は嘔吐によるものなのか、落胆によるものかは判別がつかない。 手の甲で涙を拭い酸っぱくなった口は塩っ辛い海水で濯いで洗い流した。 ――――彼女は拳の痛みに再び誓った、私の幸せを守る…その為には… ◇◇◇◇ 支給品の水でぐじゅぐじゅっと口を漱いでからペッと吐きだした。 直接水分を補給する。 グビグビと喉が鳴り冷たい水が通り過ぎていくと、酸素も一緒に供給されていくようだ。 荒々しく胸元を上下させていた呼吸も落ち着き、気分の悪さも少し収まった。 バッグを漁り応急セットから消毒液と包帯を取りだした。 傷だらけになった拳を消毒して、包帯をバンテージのようにぐるぐる巻いて固める。 シクシク傷が痛むが歯を食いしばって堪え、堅く拳を締め付ける。 再びペットボトルの水を飲み、一息付いた所でF-6の宇宙開発局の方に行ってみようかなと思った。 岩場に畳んでいた下着を履いた丁度その時だ… ――――ゴゴン――プシュ―――ガシン、キュルキュルキュル―――ウィンウィンウィン――――― 対岸にある宇宙開発局の倉庫や、転落防止用の柵がある岸壁が、唸り声を上げて迫り上がり始めた。 徐々に周囲にも影響を与え、高架辺りの水嵩が引いていき海の下にあった岩場が剥き出しになる。 その時、海面から顔を出した分厚そうな壁を見て、憂はハッと何が起こったのか理解する。 (あれは…船の……!!) 大急ぎで服を全てバックにしまいこみ、靴だけを履き、着るものも着ないで駆けだした。 (これだ……!!これを見つけ出した人に付いて行って…利用する……!!) ―――――ビ――ッ、ビ――ッ、ビ――ッ、ビ――ッ、ビ――ッ―――― ここで開発した艦船や浮遊航空艦などを、出し入れする為のドックだった。 ブザーがけたたましく周囲に鳴り響く、辺りの船舶や周囲の人間に警戒を呼び掛ける為だろう。 眼前にはガレージの様なシャッター?否、分厚いダムの様なコンクリートの壁が現れた。 やがて岸壁は迫り上がるのを止め、コンクリートの壁はゴリゴリと音を立てて上がってゆく。 対岸まで200m程あったのが今は水嵩が下がり100m程になっている。 憂はそこから出てくると予測されるモノに、出来る限り近づく為に膝が水に浸る位まで駆けて来た。 コンクリートの壁が迫上がり終わると、中から巨大なボートのようなものが出てきた。 憂いはその名を知らないが、車を3、4台積めそうなこのサイズなら揚陸艇といってもいいだろう。 揚陸艇がゆったりとした動きで航行し始めたその時、憂は行動を起こした。 「あの――――ッ!!ちょっと!!すいませ――――ん!!!」 パンツと靴しか履いていないあられもない姿だったが、気にしていられない。 出来る限りの声で力一杯叫んだが、船は反応せず東に舵を切ろうとしていた。 「ちょっと―――ッ!!無視しないでくださ―――い!!!」 「……ッ!!」 船は微速で横を向くと、慣性に任せ、そのまま止まりそうになった。 バタンと乱暴に船室のドアが開き、中から背の高い男が出てくる。 ウェットスーツの上半身を半脱ぎにしたその男は、両手に抱えた重厚な機関銃を船のヘリに置き 憂に向かって突然撃ってきた。 ――――――ドドドドドドドドドドドドドドドドド 弾丸が水面に突き刺さりバシャバシャ弾ける様を見た憂は、 足元のバランスを崩して海の中に尻もちをついていしまった。 「――――ッ!!」 憂は他人の顔を見るなり、突然撃ってきた男に狼狽を隠しきれない。 海の中にパンツ一枚のお尻を浸けたまま、胸を隠してか弱い抗議をするのが精いっぱいだ。 「ちょっと…!何…するんですか…!やめて…!撃たないで……!」 こちらに向かって構えられた禍々しい機関銃は煙を吹いている。 艶めかしい黒髪は海に入ったのか濡れていて、目元にまで張り付いている。 髪に隠れてその表情は良く見えないがわかる、鑑賞に耐えうる美系というのだろうか? スラッとした長身に抜けるような白い肌と、その黒髪のコントラストは、 それしかあり得ない完璧な調和は保った美しさだと思った。 こんな男はテレビで見る芸能人やスターにも見た事はない。 これまでにこの会場で出会った3人とは明らかに異質… 「あっ―――」 声を上げようと思ったその時―――― 船のヘリに足を置き、膝を立てこちらを窺っていた男が割り込むように口を開いた。 「なぁ……キミは――――金で魔法を買ったというあの男の話を信じるか…?」 自分のペースに持って行く為に話しかけようとしたが、あっさり出鼻を挫かれた。 「金で魔法を買った」という言葉を信じるか?という男の第一声に 「………」 口籠るしかなかった、どう返答するべきか… 「……信じます。突然こんなところに連れて来られて訳が分かりません…こんな事人間が出来る事じゃない…」 「いい答えだ。そう…この会場には魔法や超能力の類を使う能力者がいる。 ―――キミや――――キミが殺した人間のように一般の人間ばかりではない。」 「!!」 「こんな時間にキミの様な一般人が、人目に付かない海で体を流していれば当然だ。 同行者を殺して返り血を流していたのだろう?」 「どうして分かるんですか?汗をかいて気持ち悪かったからですよ…そんな決め付け……」 先出しも後出しもなかった。 一方的に畳み掛けられるばかりで勝負もさせてもらえない。 男はこんな小さな少女に対して、会話をしている今も全く警戒を解いていない。 「簡単に信じただろう?……キミのような少女が一人でいればそうする。例外もあるが……」 「そんなことしません!!」 「その噛みしめて血が出ている下唇と青ざめた顔……興奮が引いてきて気分が悪くなったんじゃないのか?」 一々見透かしたように自分の状態を言い当てる男にどう対処すればいいのか? 頭が混乱するが話をなんとか切り返さないといけない。 「……あなたは何者ですか…??あんな所からこんな大きな船で出てくるなんて絶対おかしいです…!!」 「…ふむ、まぁこの辺にしておいてやろう。俺の名はルルーシュ・ランペルージだ。キミは?」 ルルーシュは鼻を鳴らして、己の名を明かした、がそれはあくまで名簿上の名前だ。 東洋には真名を知られると呪いを掛けられるという話がある。 真の名前は警戒して教えなかった。 一般人ではない可能性は低いが、そういう事に特化した力を持っている可能性も、否定できなかったからだ。 「私は平沢憂です…」 「ほう…平沢…、姉か妹がいるのか?」 「……ッ!!どうしてそれを…」 「この会場に平沢という女は2人だけだろう…?名簿の名は全て把握してある。」 ここで初めて憂は髪を掻き上げたルルーシュの貌をみた。 憂はゾクッとした。 こんな美しい人間は生まれてこの方見た事はないが、その瞳には怖気が走った。 憂は胸を手で隠して濡れたパンツを穿いただけの裸なのに、狼狽や気恥ずかしさの欠片も見えない。 人形やゴミでも観察するように、こちらを窺うその眼には感情が一切見えなかった。 果たしてこれは人が人を見る時の目だろうか? 2人の人間を殺した憂は何か良くない魔物を呼んでしまったような気がした。 「俺と共に来るか平沢憂…?…俺が指示する作戦には従って貰わねばならないが、俺はお前の行動に干渉しない。」 「……」 「…場合によっては策を与え、良い武器が手に入ったらくれてやってもいい。」 「はぁ??それって…」 「お前が何処で何をしようとも俺は関知しないという事。」 ルルーシュの言う事を理解して憂は驚いた… (……私が人を殺しても気にしない目を瞑る、むしろ手を貸すと言っている……! 自分に火の粉が飛ばなければ、何をしても許すって事…この人って……最低だ…でも…) 「俺はキミが制止した者には手を出さない、その代わり…キミも俺が制止した者に手を出さないこと…」 「…えっと。はい…分かりました。」 「これで契約は成立だ。そこのタラップから乗れ…それと自転車は有った方がいい。 この戦場では静かで素早く移動できるいい乗り物だ。」 「はい…」 憂はバシャバシャと音を立てながらマウンテンバイクを取りに戻った。 靴とパンツ一枚の姿で、こちらに戻って来た憂を見ていたルルーシュが目元を触った。 憂の瞳を覗き込みながら何人をも縛る必殺の言霊を唱えた。 ―――――平沢憂、俺を裏切るなよ。 ルルーシュの深い紫色の双眸がクリムゾンレッドに変わり怪しく煌めく、 ギアスの紋章は解き放たれ、凶鳥のように翼を広げて羽ばたく。 その怪しい光は平沢憂の瞳から侵入し脳を犯した。 「――――はい、平沢憂はあなたを裏切りません。」 憂は立ち止まって催眠状態になったように口を開いた。 ――――まず言葉で制約をかけ、納得させてからギアスをかける…二重の制約。 いつかは裏切る気満々でも、全ての思惑を粉砕され、自分の行動を言い当てられる… 完全な恐慌状態だ、約束をした直後から裏切ってやろうなどとは思えない。 ルルーシュが一切隙を見せなかった為、今は大人しく従わざるを得ないと冷静に判断しただろう。 ドックから調達…否返して貰った揚陸艇を止めて、平沢憂と接触したのはこの実験ためだ。 突然の機関銃に無抵抗だったことから、何の能力も持たない正真正銘の一般人だろう。 固い意志を持ち姉妹の為に殺しを決意する一般人… ギアスに対する抵抗具合や持続時間を見るサンプルとしては最高クラスだ。 「――――ありがとう。」 ルルーシュはニッと頬を釣りあげた。 ◇◇◇◇ 「騒がしくし過ぎた…船を出す。禁止エリアが設定されれば浅瀬に閉じ込められる恐れがあるからな。 宇宙開発局エリアから一時離脱する。」 揚陸艇は上りつつある朝日を浴び、その速度を上げて動き出した。 格納庫にシティサイクルとマウンテンバイクを止めてある。 中は車を3、4台止められるほどのスペースがあり、憂には良く分からないが、 機械を整備したり、作ったりできる機材がいろいろある。 元々はナイトメアフレームを搭載し強襲上陸を掛ける為に作られたもので、ルルーシュが黒の騎士団で使ったものだ。 今は自動運転で西側にタワーが見える辺りを航行中。 ここに来て初めてルルーシュが気恥ずかしそうに眼を覆った。 「その格好では風邪をひく……湯を沸かしてあるから、海水をシャンプーとボディソープで洗え。 それと…とっておきの服をくれてやる。」 と先ほどまでの無感情な顔から一転、表情を崩し笑った。 同じ人間とは思えないほどの変わりように頭が混乱する、どっちが本当の顔だろうか? この変わりように比べれば私の仮面などまだまだだ、この人には学ぶことが沢山ありそうだ。 (今殺すのは無理だね…ギャンブル船の事を話した方がいいかな…?当面は力を利用しよう。) ルルーシュが艦橋から持ってきた服を見て笑った。 「――あはは…なんなんですか?そのゴスロリは…??」 「ああ…こんな事もあろうかと調達したものだ。サイズは合うか?目立つだろうが囮になってもらうぞ。」 フリフリの白いブラウスに、胸元の黒いリボン、胸を強調するような赤い上着… 短いスカートの腰の一番細い部分にも黒いリボンが付いている、思いっきり少女趣味なお人形用の服みたいだ。 黒と白のニーソックスにブーツ、首にレースと小さな帽子まで付いている。 孔雀のように着飾って男を油断させろと…?憂は納得したようにゴスロリを受け取った。 【G-6/海上/一日目/早朝】 【ルルーシュ・ランペルージ@コードギアス反逆のルルーシュR2】 [状態]:疲労(小)、静かな怒り [服装]:ウェットスーツ(半脱ぎ) [道具]:基本支給品一式、ゼロの剣@コードギアス反逆のルルーシュR2、 皇帝ルルーシュの衣装@コードギアス反逆のルルーシュR2、シティサイクル(自転車)、ジャージ(上下黒)、 鏡×大量、キャンプ用の折り畳み椅子、消化器、灯油のポリタンク、ロープ、カセットコンロ、 混ぜるな危険と書かれた風呂用洗剤×大量、ダイバーセット、その他医薬品・食料品・雑貨など多数@ALL現実 (まだ沢山スーパーマーケットから調達しています。後の書き手さんにお任せします) [装備]:ミニミ軽機関銃(183/200)@現実 [思考]:スザクは何としても生還させる 1:偽者のゼロは生かして帰さない、今後ゼロを騙る者は破滅させる 2:平沢憂を徹底的に利用する。偽者のゼロを始末する為にはまだ戦力が足りない、駒が必要だ 3:騒がしくし過ぎた、宇宙開発局エリアから少し離れるか 4:スザク、C.C.と合流したい 5:首輪の解除方法の調査、施設群Xを調査する? 6:撃っていいのは、撃たれる覚悟のあるやつだけだ! 7:ギアスの効果時間や抵抗具合を見る、いろいろ実験したい 8:偽者のゼロを殺すまでは死ねない、目的の為には手段は選ばない [備考] ※R2の25話、スザクに刺されて台から落ちてきてナナリーと言葉を交わした直後からの参戦です。 死の直前に主催者に助けられ、治療を受けたうえでゲームに参加しています。 ※深夜のスーパーで支給品のバッグは幾ら物を入れても、重さサイズは変わらない事を知りました。 シティサイクルやジャージを調達した時に、限界まで必要と思われるものをバックに詰めました。 まだまだあるようです。後の人にお任せします。 ※F-6で黎明に五飛による偽ゼロの演説を聞きました。 ※遠藤のバックに魔法や超能力を操る組織があると考察しています。ギアス饗団も警戒中です。 ※ギアスには制限がかかっていると考えています。 ※F-6で早朝に展示場北にドックが迫り上がりました。 その際警戒音やドックの動く音が宇宙開発局エリア(F-5、6、G-5、6)に響きました。(ドック周辺の詳細な描写は後の方にお任せ致します。) ※平沢憂に「俺を裏切るなよ」というギアスをかけました。 [アイテム] 黒の騎士団用強襲揚陸艇@コードギアス反逆のルルーシュ(ナイトメア無し) 1期12話[シャーリーと銃口]にてコーネリアを奇襲する際に、黒の騎士団が使用した強襲揚陸艇。 1度に4発のミサイルを撃つ事が可能、ナイトメアを3、4台搭載する事が出来、簡単な整備が出来ると思われる。 大きなボート状の形をしていて、作中では驚異的なスピードで海から陸に飛び出てナイトメアを粉砕した。 【平沢憂@けいおん!】 [状態]: 疲労(小)、解けた髪、拳に傷 [服装]:、ゴスロリ@スーパーマーケット [装備]:果物ナイフ@現実(現地調達)、拳の包帯 [道具]:基本支給品一式、日記(羽ペン付き)@現実、ゼロのマント@コードギアス 反逆のルルーシュR2、制服、 ギミックヨーヨー@ガンソード、モデルガン@現実、手紙×3、遺書、カギ爪@ガン×ソード、 阿良々木暦のMTB@化物語、カメオ@ガン×ソード、包帯と消毒液@逆境無頼カイジ Ultimate Survivor、 確認済み支給品0~3 [思考] 基本:自分の幸せ(唯)を維持するためにみんなを殺す。 1:日記を書いて逃げ道を消す。 2:ルルーシュを利用する。 2:安藤が話していたギャンブル船の事をルルーシュに話してみる。 [備考] ※民家で果物ナイフを手に入れました。 ※安藤のこれまでの経緯と人物情報を得ました。 ※ルルーシュの「俺を裏切るなよ」というギアスをかけられました。 ※今のところ「ルルーシュを裏切る」と思っていないので、まだギアスの効果は発動していません。 裏切ろうとした時にギアスが発動して止めようとします。 [アイテム] ゴスロリ(衣類)@スーパーマーケット ルルーシュがC.C.にプレゼントした私服に似ている。 時系列順で読む Back 血も涙も、街(ここ)で乾いてゆけ Next 煉獄の炎 投下順で読む Back 血も涙も、街(ここ)で乾いてゆけ Next 煉獄の炎 084 ポーカーフェイス(Poker face) ルルーシュ・ランペルージ 114 夢を過ぎても(前編) 081 じゃんけん! 平沢憂 114 夢を過ぎても(前編)
https://w.atwiki.jp/vipdetenho/pages/71.html
ドラ夫.zip 避難所管理人、おっおっおVIP永遠の好敵手。 テンプレ作成、第一回板対抗戦の幹事などスレに尽力。 己の運の悪さを嘆く事が多い。おVIP共々悲運の元に生まれたのか なお、調子が悪くなると充電中と称しつつ枕を濡らす。 IDの消失が確認されました>< 得意分野 ヨンマ 好きな役 平和のみ スタイル 守備重視ネガティブ型 段位 初段 アナルID ジップ.anal 56.jpg
https://w.atwiki.jp/nyaruko/pages/57.html
目次 表紙(5巻) 1. 昼間の戯言 2. セラエノ図書館戦争(誇張アリ) 3. 潜伏するもの共を追跡するもの共(ルーインチェイサーズ) 4. 超邪神黙示録 結 あとがき(5巻)
https://w.atwiki.jp/0103/pages/179.html
「あたしは死んだはずなのに」 雨が降り続いていく中、肌が色白で黒いボディスーツを着た美人、ドツクゾーン所属のダークファイブの一人、ポイズニーは困惑していた。 自分はプリズムストーンを奪うためにプリキュアと戦って、闇に還った。 簡単に言えば死んだはずだったのだが、どういうわけか映画を見せられた挙句、バトルロワイアルに巻き込まれていた。 「まあ、いいわ。このゲームに乗ることは変わらない。」 ポイズニーはすぐに冷静になり、方針は決まっている。願いの権利を使って主であるジャアクキングにためにプリズムストーンをすべて献上する。 そのためには森嶋帆高を確保しなければいけない。 半殺し程度にしてどこかに隠せば問題ない。 愛などという感情はどうでもいい、ポイズニーとしては関係のないことだ。 問題はルールでは願いの権利は5人までと書かれてあるが、恐らく、願いを独占するために他の参加者と蹴落としあうだろう。 勿論、ポイズニーも他人と一緒に願いを叶える気はない。 それなら邪魔な奴らは始末していく。 今までだってすべてを支配するために奪っていたのだから。 だが、一つだけ大きな問題があった。 「厄介なことをしてくれたわね。」 得意の変身能力がかなり制限されている ポイズニーの変身は老若男女関係なく、誰でも化けて、声まで完璧に変えることができるのだ。 変装できないわけではないが、森嶋帆高以外出来ない。 ならば普通に実力行使かあるいは森嶋帆高の変装を十分に利用する手もある。 「あたしは絶対に生き残る。どんな手を使っても。」 生前のような油断や隙は二度と作らない。 ドツクゾーンが生き残るためには光を食い尽くすしかない。 自分たちが生きるために。 【ポイズニー@ふたりはプリキュア】 [状態]:健康 [装備]:なし [道具]:基本支給品、ランダム支給品1~3 [思考・状況] 基本方針 願いをジャアクキングにプリズムストーン献上に使う 1:森嶋帆高を捕まえて、どこかに隠す 2:他の参加者を始末する [備考] ※参戦時期は死亡後。 ※変身能力に制限があります。バトルロワイアルに来る前の変身した人物には変身不可能。 ※森嶋帆高に変身するかは次の書き手にお任せします。
https://w.atwiki.jp/mayshared/pages/1293.html
ラノで読む FLOR DE MAL 2 苦戦 「くっそう、ブルーさえいてくれれば……」 地面に突っ伏し、拳を握り締めながら、アールディレッドが悔しそうに呟く。 コスチュームの所々が破れ、肌が露になり、裂傷なのか擦過傷なのかは不明だが、一部からは出血を引き起こしていることも分かる。 彼以外のピンク、イエロー、ブラックも同じように傷つき大地に倒れこんでいた。 「全く、ざまあ無いわねアールディファイブ!! 今日こそお前たちの命日ぃ。さあ! ベアリバー、あやつらにトドメを刺すのだっ!!」 露出度の高いユニフォームに身を包んだミスガーベラが手下の怪人に指図する。 「くまーっ!!」 訳のわからない雄たけびを上げると、熊とも人ともつかない二メートルはあろうかという巨大な槌を持った毛むくじゃらの巨人が、倒れているアールディファイブにトドメを刺そうとゆっくりと近づいていく……その時だった。 「おっと、そうは問屋がゆるさねえぜ、ミスガーベラっ!!」 「何奴っ!?」 悪役のお約束、いや性といった方がいいだろう。ミスガーベラは馬鹿丁寧に背後から聞こえてきたその声にマントを仰々しく翻しながら振り返る。 逆光でその姿はシルエットになっていたが、採石場の高台に立つその影は本来ならここにいないはずのアールディブルー。彼は何かを手にして無駄に格好いいポーズを決めていた。 「そ、それは貴様を抹殺するはずの特殊爆弾!? 何故それを持ってここに現れた? 貴様は浄水場と共に爆破されたはずではっ??」 ミスガーベラは誰も求めていないのにご丁寧に事の次第を説明する。 「チッチッチッ」 ブルーは口の前で人差し指を動かしながら、キザなしぐさで彼女の言葉を否定した。 「すり替えておいたのさーっ!!」 『な、なんだってー!?』 ミスガーベラとその手下である戦闘員二人、ついでに怪人ベアリバーが思わず驚きの声を上げる。 「こいつは土産だ、受け取りな!」 そう言って、ブルーは手に持っていた怪しげな器械を怪人の方へと投げつける。 そして……。 豪快な爆発。 「お、おのれアールディファイブめぇ……。次こそ、次こそお前らを血祭りに上げてくれるわ~」 相変わらずの捨て台詞を吐き捨てながら、ミスガーベラと戦闘員はその場から走り去っていくのだった。 「ブルー! てっきり死んだものだと思ってたぞ」 「おいおい、勝手に殺さないでくれよ」 「本当よ、レッドはせっかちね」 「全くだわ!」 『はーっはっはっはっはっはっ!!』 それはもう薄っぺらい作り笑いが、双葉島の片隅にある採《・》石《・》場《・》っ《・》ぽ《・》い《・》と《・》こ《・》ろ《・》に気色悪いほどにいつまでも響いていた。 総攻撃 「くそー、また失敗したか……」 「気を落とさないで下さいよガーベラ様」 「そうですよ、幸い、熊川《くまかわ》さんも軽症で済んだことですし、今回の失敗を踏まえて次の作戦を成功させましょうよ」 私たちはいつものごとく、いつものように作戦の失敗による反省会を秘密基地の一角にある第二会議室で行っていた。 「熊川さんの怪我がそれほどでもないのは幸いだっけど、まさかブルーにあんな特技があるなんてなあ……」 「やっぱり情報収集不足ですかね? 何なら私、調査しますよ?」 戦闘員二号こと祐天寺京香《ゆうてんじきょうか》がぐいと乗り出し、私にアピールする。 「いや、そういう卑怯なことは止めよう。あくまでも戦いはフェアに行わなくてはならん。相手の弱みを見つけて、それを突いて勝ったところで首領様は喜んでくれまい?」 「というか、ガーベラ様がそういうの嫌いなだけじゃないんですか?」 戦闘員一号であり、この秘密結社カーサネグラでは一番付き合いの長い小杉武蔵《こすぎむさし》が肘で私を突き、私の言動を軽く茶化す。マスクで表情は見えないが、恐らくさぞかしにやついた顔をしてるのだろう。 「ま、まあ、そんなことはどうでもいい。それよりも来週の計画なのだが……」 「ガーベラ様、そろそろ戦闘での怪我も癒えたラルヴァさんも結構いますので、総攻撃というのはどうでしょうか?」 「でもさー、同じ怪人……というかラルヴァさんたち使ってるとマンネリっぽくないですか?」 一号が面倒くさそうに口を挟む。理由は簡単だ。彼の能力は転移。実は爆破や必殺技を放たれる(もしくは発動する)直前にラルヴァさんたちを安全な場所へと転移させる仕事をしている。当然、ラルヴァさんたちが増えれば彼の仕事も増えるということである。まあ、何にせよ時々というか、結構な確率で失敗するため、私たちの崇高な目的に協力してくれるラルヴァさんたちに怪我を負わせてしまうことが多いのだけれど。 「ふむ、確かにな……。何の対策もしないで総攻撃ってのは卑怯だし、何よりも相手にも失礼だしなあ」 チラシで作ったメモに落書きをしながら私は何か良い案はないかと思案する。 「なら、再生怪人ってことで再登場させるのはどうですか? こう、ちょちょちょいと角とか付け加えて。それならマンネリも防げますし、なんとなく秘密結社の大反抗作戦っぽいですよね?」 「おおっ! 二号、お前は良いことを言うな。さすが私が目を掛けたことだけのことはある。その線でいこう。各自、その方向で企画書を作るように。本会議はいつものように金曜だ。いいな」 そして、私たちは解散した。 空想と現実 作戦会議と言う名の反省会が終わった後、私はいつものようにシャワーを浴び、肌が荒れそうなほどの化粧を落とし、ミスガーベラから綱島菊奈《つなしまきくな》へと戻る。 そして、バイト先である居酒屋“黒来家《くろきや》”へと向かう。例の一件以来、私はすっかりこの居酒屋のちょっとした用心棒と化していた。 まあ、それはそうだ。ここは能力者の集う双葉島。それなりに統制と管理は為されているとはいえ、禁酒法時代のアメリカではない。成人が酒を飲むのを禁止している訳じゃない。 優等生もいれば劣等生もいる。何より無駄な理由をつけては騒ぎたい年頃だ、コンパや飲み会で羽目を外すことも多いだろう。だからこそ酒に飲まれて暴れる生徒もいれば、酒の勢いにかこつけて、自分の特殊な趣味を主張しようとする馬鹿もいる。能力をかさにして大暴れするうつけ者もいる。全くもってアルコールとは恐ろしいものである。 だが、そういった馬鹿者どもにとって、私の能力は有効だった。 直接肌に接触することで相手の力や体力を奪い取るというこの異能は、特に大暴れしたときに致命的な破壊をもたらすことが多い超人系能力者を押さえつけるのに最適だった。 そのため、ちょっとした揉め事があれば、即座に私が対応することになってしまっていた。実際、軽く触ってしまえば、相手の体力を奪い取ることができるこの能力は悪用さえしなければ実に有用である。 そのおかげで私は好きな人とキスどころか付き合うことさえできないのだが……。 考えてみて欲しい。大好きな彼とキスすると、その彼が意識を失ってしまう状況を。手を繋ぐだけで倒れてしまうシチュエーションを。 異性と付き合う……。いや、同性でさえ付き合うことは不可能だ。触れば相手の体力を全て奪い取ってしまうのだから。 そんな憂鬱な日々が続く私だったが、少しだけいいこともある。 新人の中目黒が仕事を覚え、一人前になったことだ。元々物覚えの良い子だったが、数日のうちに優秀なスタッフの一人となり、私の仕事を軽減してくれていた。 ただ、あの事件以来、彼女は私に今まで以上に懐き、それがちょっと面倒ではあったのだが。でも、彼女の一人前のスタッフとなったことで、私に依存することを辞めるだろう。 そう思っていたが……。 剥がれ落ちる現実 「ちぃぃぃふぅぅぅ!」 年齢にしてはあまりにも背の小さい少女が私に声を掛けてくる。中目黒だった。 「だ・か・ら・! 学園内でその名で私を呼ぶんじゃない!」 私は彼女の軽率な行動を間髪いれず否定する。 「だって、チーフはチーフですしぃ……」 しっっかし、なんだってコイツが私と同い年なんだ? 背は低いし顔も童顔で幼女のように可愛らしい。どうみても中学生じゃないか。それなのに大学三回生だとぉ? どんだけ合法ロリなんだよお前? 「ねーねー、講義終わったらご飯食べに行きましょうよ! 私、ちーふのためにお弁当作ったんですよ!」 うわぁぁぁ、うぜえ、マジでうぜえ、ガチでうぜぇ! 「ダメだ。私は用事がある」 「どんな用事ですか?」 「お前には関係ない」 「関係ありますぅ!」 そういう小動物的な視線を私に送るんじゃない。可愛すぎるぞ、中目黒! ぎゅっと抱きしめたくなるじゃないか。 「あ! 小杉さんだ。こすぎさーん!!」 中目黒が突然大声を上げてあさっての方向に手を振り始める。なんだ、お前はちょっとおつむが残念な子なのか? いやちょっと待て、小杉ってちょっ……。 「おい、お前誰をっ?」 「この前私を庇ってくれた小杉さんですよぉ。ちーふも憶えてるでしょ」 ああ、お前以上に色々とな……、知りたくないことまで知ってるよ。仕事とプライベートは分ける主義の私としては実に不快なことだが。 「やあ、どうもです。先日はみっともない姿を見せてしまいまして」 頭を掻きながらヘラヘラと笑う小杉の顔には、レッドに殴られた痕であるアザがまだうっすらと残っていた。全くもってせっかくの優男が台無しだ。それとな、人と話す時は目を見て話せ、目を見て! お前の視線が私の顔に向いてないぞ。私の目よりも約三十センチほど下じゃないか。それ以前にお前、もっと露出してるのをいつも見ているだろ。いい加減見飽きろよ。 「お前たち、いつの間に仲良くなったんだ?」 私は心に沸き起こったセクハラ批判をおくびにも出さす、二人が知り合った経緯を質問する。 「いや~、偶然同じ講義を受けてましてね。それで……」 「はい!」 「そうか、それは良かったな。私は用があるので失礼するぞ」 「え~っ? 一緒にお昼食べましょうよ~」 中目黒が縋るような目をする。 「嫌だ」 そう言って、私は面倒そうな二人に別れを告げ、部活棟へと足を向ける。去り際に背後から二人が話す声が僅かに聞こえてきた。 「あの人、いつもはあんなに無愛想なの? お店で会った時はニコニコしてたのに」 「そりゃあチーフは接客のプロですから、笑顔だってプロ並みで、仕事以外でおいそれと魅せるわけにはいかないんですよ。でも、あのぶっきら棒な感じも素敵です!」 うっっせえな。無愛想なのは生まれつきなんだよ。何より私は“この能力のおかげ”で人付き合いが昔から苦手なのだ。 魔窟 初等部から大学、果ては大学院まで、膨大な数のクラスと生徒数を誇る双葉学園の部活棟もまた巨大なものであった。 どんなに怠け者を取り除いても必ず働くことを止めてしまう働き蟻が発生するように、一定規模以上のコミューンを形成すれば、はみ出し者は必ず現れる。 それはこの双葉学園でも例外ではなく、優等生もいれば落ちこぼれも生まれるし、真っ当な部や同好会がある一方で、いかにも怪しげで活動内容すら分からないものが数多く存在していた。有名なところでは活動内容が甚だ不明で不穏すぎる野鳥の会だろう。よくもまあ、醒徒会が放っておくものだ。全くもって嘆かわしい。 今、私が歩いている先にあるヒーロー研究開発部もそういった有象無象なきな臭いもののひとつ。戸口にぶら下がっている“HERO R&D”と書かれた看板が無闇に偉そうで腹立たしい。なーに横文字使ってんだよ。 大体だな、研究はともかく、何を開発してるんだかどんな活動をしているのか良く分からんじゃないか、この特撮オタクが。全くもって胡散臭いことこの上ない。 そんな差別的かつ不遜なことを思いながらその扉の前を通り過ぎようとしたその時だった。 「――っ!?」 豪快に扉が開き、私はそれにぶつかり後ろに倒れてしまう。 その扉に鼻を強かにぶつけた私は、ヒリヒリする鼻をさすりながら立ち上がろうとする。 が……。世界がオカシイ。まるで霧の中にいるようで、目の前がぼやけてしまっている。なにも見えないではないか。 ああ、転んだ勢いでメガネを落としてしまったのだな。これでは歩くこともままならない。メガネを探さないと。メガネメガネ……っと。 パキッ!! おい、ちょっとまて、今変な音が後ろの方からしなかったか? 合成樹脂がなんらかの重みに耐えかねて粉砕したような音に近いな。ははは、気のせいに決まっている。さてメガネ、メガネと。一応、音のした方に振り向いてみる。するとそこには、巨大な物体がそそり立っていた。あれ? こんな所に柱なんてあったっけ? 「ゴメンゴメン、大丈夫か?」 目の前にあるのは柱ではなく謝罪をするだけの知能と礼儀を弁えた常識的な人間のようだった。恐らく、扉を開けた張本人なのだろう。相当な粗忽者に違いない。その扉にぶつかってしまう私も粗忽者だが。 いや、それよりもメガネだ。 「謝罪はいいとして、もうしわけないが、メガネを探してくれないか? 私はあれがないとまともに歩けもしないのだ。その辺に転がっているはずなのだが」 「いや、その……眼鏡なんだけどな……」 そう言って、目の前にいる男らしきものは、私に何かバラバラになった物体を手渡す。 何だコレ? ゆっくりと目に近づけ凝視する。なにやら長年愛用している見覚えのあるもので構成された物体のようだった。元の形は留めてないが。 「スマン!」 男はもう一度謝る。な・る・ほ・ど・! 謝ったのはこれのことだったのかハハハハ……。 「――って、謝って済むかボケェェッ!!」 私は大体この辺りだろうという大雑把な予測に基づき、奴の顔面に渾身の右ストレートをお見舞いする。こちらの拳が痛むほどの手ごたえがある。 しかし、何故避けなかったんだこの男は。オーバーアクションなテレフォンパンチなんだから避ければ良いものを。 「痛ーっ……いや本当に申し訳ない」 ほほう、なるほど謝罪の意味もあって避けなかったのか。中々どうして漢《おとこ》じゃないか。なにかと五人組で私の部下やラルヴァさんを袋叩きするアールディファイブとは大違いだ。 しかし困ったな、これでは目的地に着けないではないか。 「どーしたの? 赤井君」 どこからか可愛らしい女性の声が聞こえてくる。なんとなく聞き覚えがあるような気もしたが思い出せない。方向からしてヒーロー研究開発部の部室からだろう。 「いや、ちょっと彼女の眼鏡を壊しちまってさ……」 「まあ、大変! 赤井君は本当にドジね。ささ、こっちへ来て――もう、赤井君、そちらのレディをちゃんとエスコートしなさいよ」 「全く、桃瀬《ももせ》には敵わないなあ」 『あはははははっ!』 な、なんだこのうすっ気味悪いサークルは……。何でこんなに気色悪いほどにさわやかなんだよ。新手の新興宗教か? 洗脳されないうちに早々に退出するのがよかろう。だが、メガネをなんとかしないといかんな。アジトに戻ればコンタクトがあるのだが。 「さあ、こちらに座って。貴方のメガネはウチの黒峰《くろみね》君が直してくれるわ。彼はね、物質を時間遡行させる能力者なの。うーん、ちょっと難しかったかな? 言ってみればドラ○もんのタイム風呂敷みたいなもんね」 「そ、それは私のメガネが直るということか?」 「ええそうよ」 「まあ、アイツに任せておけよ」 私のメガネを踏み潰した男がバシバシと背中を叩く。しかし、どうにもコイツは暑苦しいなうざいことこの上ない。 「それはすまない」 「謝ることなんてないよー。だって、赤井くんが悪いんだからさ!」 おや、さっきとは別の女性の声が聞こえてきたぞ。この声も聞き覚えがあるのだが、どうにも思い出せないな。ふむん。 「ちょっと時間が掛かるんで待っててくれよ」 赤井と呼ばれた男が再び私の背を叩く。なんともなれなれしい男だ。お前、場所が場所ならセクハラで訴えられるぞ。一瞬でも評価した自分が口惜しい。 「どうぞー、インスタントコーヒーで申し訳ないんですけど」 「あ……ど、どうも」 なんだ、不気味な新興宗教と思ったけど、結構いい人たちじゃないか。やっぱりアレだなあ。全ての無償の親切を頭から疑るという思考は止めた方がいいのかもしれないな。しかし、ここには何人いるのだろう? うーん……三人? それとも四人? 良く分からんなあ。 「そういえば、お名前聞いてませんでしたんね?」 コーヒーを差し出してくれた女性が椅子に座りながら私に語りかける。あまり名乗りたくはないのだが、ここは名乗っておいた方がいいだろう。 「綱島といいます」 「そっかー、綱島さんかー、下の名前は?」 「菊奈……です」 「可っ愛いーっ! ねえ聞いた、赤井君、“き・く・な”さんだって! 菊奈!! 駅の名前みたいでカワイイよねー!」 お前は私の軽く気にしていることを軽く袈裟切りにする才能があるな。悪かったな、私は神奈川出身だよ。この名前で小学生時代、“東急”とか“急行”とか呼ばれてどれだけイジめられたか……。 「私の名前は桃瀬、桃瀬飛鳥《ももせあすか》、あなたの眼鏡を壊しちゃったのが御馬鹿さんが赤井君で、向こうで直しているのが黒峰君よ。それとその隣……見えないと思うけど、いるのが黄土《おうど》さんよ」 「やほー」 あさっての方向から桃瀬さんとは違う声が聞こえてくる。だが、その声の主がどんな人物はメガネのない私には確認することは出来なかった。 「ということで、よろしく、今日から友達だね!」 そう言いながら桃瀬さんは私の手袋を付けた手を握ってくる。なんだろう、この人懐っこさは、私はこういうのが一番苦手なのだ。 「ところで、綱島さん、なにか部活とかに入っているの? 部活棟にきたってことはそういうことよね」 桃瀬と名乗った人物とは別の女性がそう質問する。あーあ、これは確実に勧誘じゃないか。適当な部を名乗って逃げるという手もあるが……さて、どうしようか。 「いや、特にそういうものには……。どちらかというと部活ではなくボランティアに参加しているので」 「なんだよ、あれだけのパンチの持ち主だからウチに勧誘しようと思ったのによぉ」 「赤井君は黙ってて。へーそうなんだ。それってどんな活動をしているの?」 くっそー、コイツ食いついてきやがった。スルーすると思ったのに。ここは適当な嘘ですり抜けるしかないな。 「ちょっと説明しづらいんですけど、あえて言えば『世界平和』のための活動といいいますか……」 「すばらしいぃぃぃっ! なんて素晴らしい行動なんだ。俺も常々世界平和には……」 突然、そう言いながら赤井が私の手を握る。震えた声や鼻を啜るなどから、泣いているのかもしれない。 なんだ、コイツ。本当に暑苦しいな、もうどっか行けよ。とりあえず、これ以上ウザそうなコイツの台詞を入力しないように自分の意識をコイツをシャットアウトすることにした。 「世界平和かー。あれね? マザーテレサとかそういう感じのかな?」 「ま、まあ、そうですね」 「実はね、私たちの部も平和のために頑張ってるのよ」 ほう、チャラチャラお遊戯ごっこで遊んでいるワケではないのか。 「ただね、それを邪魔する人たちがいてさあ……」 「あーそれ分かります。私たちも活動を邪魔する心無い人たちがいますから」 思わず、私はアールディフファイブの憎憎しい顔を思い出してしまう。拳が汗ばむ。 「へえ、そういう人ってどこにでもいるのねー。今度、そういう人たちが現れたら私に連絡してくださいよー! 力になれると思うから!!」 いやいやどうして、桃瀬さんは良い子じゃないか。本当のことを話してアールディファイブの相手をしてもらおうかなあ。 「よーっ! 新しいのがようやく出来たぞー!」 部室の扉が開き、いかにも軽薄そうな声が部室内に響き渡った。誰だよ? 「あ、青田《あおた》、ようやくユニフォームは出来たのかよ」 「ゆにふぉうむ?」 その言葉に私はなんとなく嫌な予感を感じる。 「私たちの活動のための服ですよ。この前破れちゃったので、新調したんです。ほら、ここのロゴが格好いいでしょ?」 彼女はそういって派手な色の衣装をこちらに見せる。なんか全身タイツっぽいぞそれ。 「誰? その人」 「綱島さんだよ、青田君。赤井君が彼女の眼鏡壊しちゃったから、黒峰君が直すまで待ってもらっているの」 「へー……あれ? でもどっかで会ったような気がするなあ。でも、思い出そうとすると、後頭部の傷が疼くのはどうしてだ?」 「見てくださいよ、綱島さん、ほら、このロゴがポイントなんですよー。ウチのリサーチ&ディベロップメントの頭文字のR《アール》とD《ディ》をあしらってるんです。格好良いでしょう?」 あーる? でぃ? えーと……ちょっと待って、ちょっと待て。もしかしてここってさ……。そういえば、どいつもこいつもどこかで聞き覚えのある声をしてたよな。そう考えるとこれって? 「直った……」 男性らしき声が聞こえてくる。ふう、この声には聞き覚えがないぞ。やっぱり、違うよな。もう、私ったら、うっかりさんだなー! その聞き覚えのない声の主は私の目の前に直したメガネをそっと置く。 私は彼に直してもらった眼鏡を手に取り、掛けることにした。 そして、その目の前に広がっていた世界は……。 裏返り 「なんで急いで帰っちゃったんだろうな、彼女?」 アールディファイブのリーダーである赤井は開いたままの戸口を見つめながら、コーヒーを啜っていた。 「きっと用事があって、その時間に間に合わないと思ったんじゃないかな?」 桃瀬が綱島の飲んだコーヒーカップを片付けながら、そう呟く。 「俺、あの人とどっかで会ったことあるんだよなー。思い出せないんだけど」 青田が未だに残る後頭部の腫れを摩りながら、新しくできたユニフォームを嬉しそうにニヤニヤと眺めていた。 「そんなこと、どーでもいいじゃん」 黄土がゲーム機で遊びながら、興味なさそうに突っ込みを入れる。 「お、俺、彼女に惚れたかもしれない……」 年甲斐もなく頬を染めながら、赤井はそう呟いた。当然、部室にいる全員がそのあさってな方向の反応に驚きを隠さないでいた。 『はぁぁぁぁっ!?』 「おいおい、特別美人でもないし、取り立てて特徴のない顔立ちだぞ。一目惚れにしちゃあ出来が悪すぎる。ま、乳はでかいけどな」 あまりのことに、思わず青田が小ばかにするように呆然としている赤井にツッコミを入れる。 「いや、彼女のパンチがさあ……。こう、胸にキュンときたんだよ。キュンとね……」 そう言いながら、赤井は殴られた左の頬を愛しそうにさすっていた。 終わり トップに戻る 作品保管庫に戻る
https://w.atwiki.jp/vip_osakaotaban/pages/18.html
【バンド名】Sisters.zip 【メンバー】Vo.ケ口リン、Vo.ゆかりん、Gt.Cho.うりゅ、Ba.かのん、Dr.まふぃ 【課題曲】色々 【募集の有無】無し 【連絡先(任意)】kanon_pm@yahoo.co.jp 【一言】7月のライブ出ます 盛り上げられるように頑張ります! 【サイト・ブログ】http //sisterszip.blog85.fc2.com/